水曜日, 2月 11, 2009

インフルエンザ万能ワクチン!

1月末のとある報道(AFP他)によると、
鳥インフルエンザ等のあらゆるタイプのインフルエンザに有効な万能ワクチンを、

日本の政府機関や大学・企業
・国立感染症研究所(National Institute of Infectious Diseases)、
・北海道大学(Hokkaido University)、
・埼玉医科大学(Saitama Medical University)
・バイオ化学の 日油(NOF)
の研究者らによる産学協同チーム/厚生労働省研究班が開発したとのことである。

実験では、新型インフルエンザウイルスに変異する可能性が高い高病原性鳥インフルエンザウイルスH5N1、Aソ連型、A香港型の3種共通の内部たんぱく質を調べ、ワクチンを作製。

免疫に関与する人間の遺伝子を組み入れたマウスに接種した後、ウイルス3種をマウスに感染させても症状が表れず、増殖も抑えた。
また、インフルエンザウイルスが変異した場合でも効果があることを確認したとのことである。。

「Aソ連型」「A香港型」、高病原性鳥インフルエンザA(H5N1)に加えて、他の鳥インフルエンザウイルスにもこのワクチンが有効であるようだ。
また、今までのワクチンの効果に加えて、世界的流行を引き起こす可能性が懸念されているその他の変異ウイルスにも有効なワクチンであると思われる。


 国立感染症研究所(National Institute of Infectious Diseases)の内田哲也(Tetsuya Uchida)氏によると、
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・現在まで、インフルエンザ治療に使われているワクチンは、ウイルスの表面を覆っているタンパク質から作られているが、このタンパク質は変異しやすく効果が薄れる場合がある。
・新しいワクチン手法ではリポサムと呼ばれる脂肪を少量注射し、リポサムの表面に抗原を乗せて体内に運ばせる。この抗原の分子が免疫系の中でウイルスに反応する。
・現在の鳥インフルエンザ・ワクチンは免疫系自体のウイルス攻撃力に依存しているが、ウイルスが変異してしまうと無効になってしまう。
・新ワクチンは、ウイルスの内部構造がほとんど変化しない点に着目し、「ウイルスの表面ではなく内側を攻撃する」
・新たに開発したワクチンは、ほとんど変異しないウイルス内部の共通タンパク質を基準としているため、従来のインフルエンザのウイルスに加えて、懸念が高まっているH5N1型鳥インフルエンザなどの変異ウイルスにも効果が期待できる。
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以上から、この開発された新ワクチンは、複数のインフルエンザ・ウイルス、変異ウィルスにも効果のある「万能ワクチン」であると期待されているわけである。

但し、実用化までにはまだ課題も多く、数年を要しそうである。

たとえば、今回は、マウスを使った動物実験で効果を確認しているが、これまでにないタイプのワクチンなので、人間に使って重い副作用が出ないか、慎重に確認する必要がある。

従って、今後は、さらに動物実験で人への安全性を確認後、臨床実験をしていかねばならない。

上記研究班は今後、ワクチンメーカーを選定し、人間に接種した場合の安全性を確認後、実際に人を使った治験(臨床試験)を行うという。
また、研究班の内田哲也主任研究官は「人工合成したタンパク質を使っている点で安全性も高い。人間への安全性を確認し、早期の実用化を目指したい」としているようだ。

同じ仕組みのワクチンを英オックスフォード大も研究中という。



以上から、新ワクチンの実用化にはまだ数年を要すると思われるが、
2003年に鳥インフルエンザの発症例が確認されて以降、世界各地の死者は200人を超えているそうであるし、中国またその界隈での発症状況も気にかかる。

パナソニックの駐在撤退にも注目が集まるところであるし、
早い実用化を切に望みたい。

映画、感染列島の最後でも、ある最新の実験が試された。
即ち、実用化されてはいないが、新しい方法を死んでいくしかない者に試すという方法である。
パンデミック後に、最適なワクチンを作るまでには、半年を要するといわれている。
また、国内のタミフルなどの備蓄は、全員分は無く、三分の一といわれているし、タミフルは万能ではない。

このことからも、上記万能ワクチン、是非日本の手で、実用化にこぎつけていただきたいと思う。





-memo-
・現在までのワクチンは、インフルエンザウイルス表面をとげのように覆うたんぱく質をもとに製造する。
・接種後、ウイルスが体内に侵入すると、抗体がとげを認識して増殖を阻止する。
・だが、インフルエンザは、とげの形が異なる複数のウイルスが流行することが多いうえに、頻繁にとげの形が変異するため、毎年のようにワクチンを作り直す必要があった。
・流行する型の予測がはずれると、ワクチン接種の効果が薄れた。

要は、今までは、ワクチンによって体内に作られた抗体が、トゲ状のタンパク質を確認して増殖を防ぐ仕組み。しかし、トゲ状のタンパク質は、毎年のように形が変異するため、そのたびにワクチンを製造し直す必要があった。

今回開発中のワクチンは、トゲ状のタンパク質に比べて変異しにくい、ウイルス内部のタンパク質に注目して製造された。
研究班は、表面に比べて変異しにくいウイルス内部のたんぱく質を人工合成。それに特殊な脂質膜をくっつけてワクチンを作った。
このワクチンを接種すると、免疫細胞が、とげ認識ではなく、抗体が内部のタンパク質を確認し、、ウイルスの感染した細胞そのもののを攻撃し、増殖を防ぐ。

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