土曜日, 12月 09, 2006

ブルー・オーシャン戦略

最近とはいっても、少々昔、結構話題になっているようである。

あまり知らない方のために、まず、簡単に解説を試みてみたい。

まず、世の中には、「プルー・オーシャン」と「レッド・オーシャン」の二種類があるらしい。

青い海と赤い海。

何が違うのかというと、

「レッド・オーシャン(赤い海)」
・・・競合他社と価格や機能で血みどろの戦いを繰り広げなければならない既存市場

「ブルー・オーシャン(青い海)」
・・・競争自体がない未開拓の市場

ブルーオーシャンは、広くいえば、
「いまはまだ生まれていない市場、未知の市場空間すべてをさす。」ということになろうか。。。

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『ブルー・オーシャン戦略』(ランダムハウス 講談社)という経営書がオリジナル本であるが、概略を記した論文はDHBR(ハーバードビジネスレビュー)1月号にも掲載されている。
本の方は、米国でベストセラーになり,各国語に翻訳され,世界100カ国以上で刊行されているとのことである。ちなみに、私は本の方はまだ読んでいない。

基本的な内容は、以下のようである。
「コスト削減」や「差異化」などを勧めるこれまでの経営書は,どれもレッド・オーシャン(競争の激しい既存市場)で勝つための方法を説いている。
これとは違うブルー・オーシャンを創造すること
即ち「他社とは違う土俵で(あまり戦わずに)勝つためのブルー・オーシャン戦略」を推進することを提唱し、そのための具体的な方法を解説。



参考まで、いくつかのキーワード・論点・コメント等気に入っているものを以下に抜粋。
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「多くの企業はコスト削減ばかりが必要になるレッド・オーシャンにいることを自分で認識しながら、既存事業との食い合いを過度に恐れて,既存事業以上に利益を生むはずのブルー・オーシャンに踏み出せないままあえいでいる」・・・既存事業との食い合いを過度に恐れるな!!
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「SWOT分析」などレッド・オーシャン用の分析ツールがよく知られ実際に広く使われていることもレッド・オーシャンに固執することになる一因。
既存の経営書を読んで一生懸命勉強すればするほどレッド・オーシャンにはまってしまう。
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「人気のないこと」?「好きなこと」という個人の成長戦略とも合致する可能性。
のびのび泳げる自分だけの「ブルーオーシャン」を見つけて、オンリーワンになろう!
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ブルーオーシャンを生み出す2つの方法
1)事例は少ないが、全く新しい事業領域を立ち上げる方法(例:イーベイ)
2)既存市場の境界線を押し広げることで創り出す方法
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競争は大切であるが、戦略に関するきわめて重要でかつ高収益を生み出すポイントを2つ見逃している。
1つは競争がほとんどない青い海を発見することであり、もう1つはその市場を開拓し守っていくことである。
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ブルーオーシャン創造ツールとして、
「戦略キャンバス」、「4つのアクション」、「アクション・マトリックス」
などがある。
 戦略キャンバスとは、競争要因を横軸にして、縦軸はそのレベルを表し、そこに、業界内にあるいくつかの戦略グループの特徴を描き出す。競合他社が何に投資し、製品、サービスなど何を売りにしているかなど、どのような現状にあるかを知る。それを元にブルー・オーシャン(競合しない分野を市場とみたてていく) を創造する。
 4つのアクションとは、ブルー・オーシャンを生み出すために、競争要因に対して、操作する視点。業界の標準に関して、1.取り除くべきものは?、2.思い切り減らずべきものは?、3.大胆に増やすべきものは?、4.付け加えるべきものは?を考えていく。
 アクション・マトリックスは、4つのアクションを補足する分析手法で、4つの四角を田の字型に置き、それぞれに4つのアクションを並べます。
 4つのアクションやアクションマトリクスを書いてから、戦略キャンパスを書く方がやりやすいのかもしれまないが、行きつ戻りつしながらつくるのが実態なのであろう。
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わかりやすい日本・アジアの理容市場でブルー・オーシャンを創造した事例としては、日経情報ストラテジーに「QBハウス」(社名キュービーネット)の市場開拓の話が出ている。
皆様もご存じですよね。

「QBハウス」は顧客の視点からサービス内容を見直し、洗髪や肩もみなどのサービスをやめる一方で、予約の手間を省き、散髪サービスを10分間・1000円で提供するといった形で新たな価値を提供した。
日経情報ストラテジーには、QBハウスのビジネス・モデルを上述「戦略キャンバス」なるツールで分析してみせており、

顧客視点からのサービス価値を、「価格」「ヘアトリートメント・肩もみ等各種サービス」「衛生」「待ち時間・ヘアカット時間の短縮」「エアウォッシャーシステム」などの項目を立てて曲線で描き、既存の一般理髪店と比較して、既存サービスと異なる曲線が描ければ競争がないブルー・オーシャンを創造できている見本例というわけだ。
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さて、前置きが長くなってしまった。

詳細な分析をさておき、簡単にいえば、たとえば以下を応用すればいいのだろう。

・「人気のないこと」? しかし、「好きなこと」をやる。
・のびのび泳げる自分だけの「ブルーオーシャン」で、オンリーワンめざす!
これらは、
・事例は少ないが、全く新しい領域を立ち上げる
または
・既存領域の境界線を押し広げることで創り出す
といったことであろう。

言うは安し。行うは難し。
分析的には存在するかもしれないが、自ら見つけるのは難しい気もする。

自分と、皆さんの前に広がる、まだ気付かぬ、青い海。
海の色は、極めて青く、永遠で広大なものであって欲しいと祈るばかりである。

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