1. イギリス人・・・不正も半分にすると正義になる
2. アメリカ人・・・相手をやっつけられなかったら、相手と組め
3. パンは半切れでもパンだが、赤ん坊はそうはいかない。
なんのことじゃ?ということなのだが、いずれも妥協にあたっての考え方の例であり、経営論の神様P.F.ドラッカーの教えのひとつであるらしい。
(赤ん坊の例は、「とても大切で割る事ができない一体であるもの」の例であろうか。)
ドラッカーは、何かの仕事をするとき、自分のクライエント(頼み主)が誰であるかをはっきり認識し、すべてを、そのニーズの実現のために、優先させ、ほかとは決して妥協しない。
しかし、相手の関係者のなかに自分と相性があわない人がいるときだけ、「相手を代える」という妥協だけはするらしい。
ドラッカー曰く、
・良い妥協とは、こちらの求めるものが半分でも残っている場合。すなわちパンの半分のケース。
・悪い妥協とは、二つに割ったりすれば元も子もなくなる赤ん坊の場合である。
ドラッカーが現代経営学のはしりのひとりとして高く評価しているフォレット女史(1868-1933)の古典的名著として、「ダイナミック・アドミニストレーション」(動態的管理?)があり、その中で、彼女は、以下の事項を早くも見抜いていると、ドラッカーはいう。
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1. 経営を単なる仕組みではなくて、一つの、人と人との関係する社会的なプロセスとしてみること
2. 今日でいう、エンパワーメント(権限委譲)、すなわち、部下を信頼して、その自主性を尊重してまかせること
3. 経営者が、未来をきちんと見据えて描き出したビジョンに基づくリーダーシップが経営の根本にあること
4. 取引や交渉よりも、真実の人間のかかわりに基づく関係が重要なこと
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また、特に人間と人間、組織と組織の関わり方には、
1. 対立
・・・一方の主張が全面的に通る、勝ち負けの関係、しかも、あとで、リベンジされる恐れが十分に残る
2. 妥協
・・・・片方ずつ、部分的にその主張が通るが、残りの部分はそれぞれ不満が残る関係
3. 統合
・・・両方の主張を創造的に統合して、両者ともども満足が得られ、相互の共存共栄が図れる、いわゆる、「WIN・WIN」関係
以上の三種類があると分析している。
できれば、第三の統合が望ましい。
だめなら、やむなく妥協。ただし、パンの半分をとること。
そのためには、双方のコミュニケーションが深まり、双方の主張と立場がより鮮明になることが前提として必要ともドラッカーは述べている。
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組織において、リーダーたる場合には、妥協のポリシー、WinWin統合が無理な場合でも、
良い妥協、パンの半分はとれる妥協を心掛けていきたいものである。
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