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レブロンを名だたる巨大企業に育て上げた天才的経営者、チャールズ・レブソンはこう言った。
「工場では化粧品をつくる。店舗では希望を売る」
なるほど、女性は化粧品を使う。
だから、女性は化粧品を買うのではない。
希望を買っているのである。
レブソンは人間の衝動を正しく理解して、その上にあの金字塔を建てたのである。
すべての性的衝動のなかで、美しくありたいと願う心は最も貴重なものだろうということを、レブソン知っている。
「希望」は化粧品の付加物・・・顧客を満足させるベネフィットについての特別な約束なのである。
これが化粧品に特別の魅力を付加している。
レブロンが消費者に提供しているのは、化粧品というモノそのものではなく、自分ならではの美しさをつくり、自分の力を出しきったという満足感を与え、異性に対する魅力をつくり出してあげますという特別の約束なのだ。
大切なのは、レブロンがコンパクトの中に納めた物質ではなく、贅を尽くした容器や幻想を誘う広告によって観客の心の底に焼きつけた観念なのである。
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by T.レビット 土岐/DIAMONDハーバード・ビジネス・レビュー編集部訳
「レビットのマーケティング思考法」ダイヤモンド社
セオドア・レビットは、かつて、ハーバード・ビジネススクール教授のかたわら、「ハーバード・ビジネスレビュー」誌の編集長も務めた世界的に有名なマーケティング学者で、近年は、ハーバード・ビジネススクールの名誉教授。。。
レブロンは、「化粧品メーカー」というよりは、「美しさ提供業」。
この定義となれば、
レブロンは、化粧品のみでなく、化粧法、アクセサリー、アパレル、さらには、
より異性にアピールし、より魅力的に見えるための、化粧品とアクセサリー、衣服とのコーディネート法などへと、事業を拡大していけるわけである。
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