火曜日, 3月 06, 2007

2031年までに登場する新技術

これまた、少々古い話であるが、先日、「2031年までに登場する新技術」が日経系の雑誌に掲載されていた。
御覧になった方も多いでありましょう。

しかし、驚いたその内容とは、
 
2025年頃までに、眼鏡なしで見られる家庭用立体テレビができるそうです。

翻訳機能つき携帯電話などもできそうです。(これで、外国語の勉強から解放される???)

そして、なんと、
2030年頃に、念力インターフェース、記憶を拡張する外部脳ができる?!!!

これは、まさしく、SF、あるいは、甲殻機動隊攻殻機動隊とかの世界かもしれません。

脳波を利用して,考えるだけでパソコンを操作できる「念力インターフェース」

一般常識と個人の経験を蓄積し記憶を拡張する「外部脳」

そして、当然ながら、「人間の記憶を電気的にコンピュータで読み取る技術」はセットものということであります。

脳波を拾って記録したり、分析したりは今もどんどん研究が進んでいるわけですが、明示的に思考したとおりに、インタフェースできるとなると、すごいことになりましょうね。

脳波センサー帽かなにかをかぶって立体マウスでも操作することになるのかもしれません。

人間があくまでも、操作側であればよいのですが、コンピューター側が、人間を操作するようになると、なかなかリスキーな世界が広がります。


アイザック・アシモフのロボット法三原則
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第1条 ロボットは人間に危害を加えてはならない。また何も手を下さずに人間が危害を受けるのを黙視していてはならない。
第2条 ロボットは人間の命令に従わなくてはならない。ただし第1条に反する命令はこの限りではない。
第3条 ロボットは自らの存在を守らなくてはならない。ただし、それは第1条、第2条に違反しない場合に限る。
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これを、コンピューターシステム側にも、持ち込む必要を感じます。

ロボットを含む、コンピューター・ネットワークシステム、これをRITCと書き直せば、以下となりましょう。
第1条 RITCは人間に危害を加えてはならない。また何も手を下さずに人間が危害を受けるのを黙視していてはならない。
第2条 RITCは人間の命令に従わなくてはならない。ただし第1条に反する命令はこの限りではない。
第3条 RITCは自らの存在を守らなくてはならない。ただし、それは第1条、第2条に違反しない場合に限る。

なお、RITCは、Tyees造語、Robot, Information Technology and Communication

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この雑誌においては、識者40名以上から意見を集約した結果、コンピューター・ネットワークシステムは、
「効率性や利便性だけを追い求めるのではなく,人間の心に安らぎや豊かさをもたらすシステム」をめざすべきとの論がでてきています。

昔の無駄があったが,余裕もあったシステムから、最近では、効率性・利便性を追求し、余裕のないシステムになりつつある。
近未来、2030年代には、「人間的な豊かさ」が再度求められるとの論には、共感を覚えます。

より高度でハイタッチな、人間的な豊かさを追求するとなると、この雑誌にも紹介されていることですが、
・安心安全を守る
・人間同士のコミュニケーションを円滑にする
・知的好奇心を刺激.
などが重要視されるようになるのでありましょう。


RITC三原則は、このようにして、さらに発展します。

第1条 RITCは人間に危害を加えてはならない。また何も手を下さずに人間が危害を受けるのを黙視していてはならない。
第2条 RITCは人間の命令に従わなくてはならない。ただし第1条に反する命令はこの限りではない。
第3条 RITCは自らの存在を守らなくてはならない。ただし、それは第1条、第2条に違反しない場合に限る。
第4条 RITCは人間の安心・安全を守らなくてはならない。ただし、それは、・・・・に限る。
第5条 RITCは人間同士のコミュニケーションを円滑にしなくてはならない。ただし、それは、・・・・に限る。
第6条 RITCは人間の知的好奇心を刺激しなくてはならない。ただし、それは、RITC-SR、コンプライアンスに違反しない場合に限る。
(RITCは、Tyees造語、Robot, Information Technology and Communication、
SRは、Social Responsibility)

第四条から六条は、このままでは、ルールとしては、複雑・高度すぎて具体的ではないが、電子頭脳並びにコミュニケーションネットワークをインテリジェントに管理するエージェント(ロボットかもしれないし、コンピューターかもしれない・・・)には、このようなルールを守ってもらう時代がくるかもしれない。



さて、さらに、この雑誌には、意味深い、以下のようなことが書いてある。

・・・地球における生物の歴史はおよそ40億年だが、多細胞生物が増えてきたのは,ここ10億年のこと。
・・・最初は、細胞1つ1つがバラバラに生きていたが、環境条件が悪くなって集り一生命体になった。
・・・この様にして多細胞生物が出来上がってきた・・・

・・・細胞も,我々も,更に会社も社会も「階層的オートポイエーティック・システム」である
・・・オートポイエーティックとは「自分で自分をつくる」という意味
  
・・・自分で自分を律しつつ,全体としてはある機能を実現している。これが,オートポイエーティック・システムのイメージ・・・

RobotもAgentも、アバターも、コンピューターも、コミュニケーションネットワークも、このように成長していくとなると、やはり、高度な守るべきルール、標準化されたルールというものが、必要になりましょうね。

未来は、明るいことを祈りたいものですが、それには、数々の課題を解決し、ルールを決めて、埋め込んでいく必要がありましょう。
それは、我々の義務でもあることになりましょう。

1 件のコメント:

tyees さんのコメント...

文中の甲殻機動隊は、以下が正しいようなので、こちらに修正します。

正しくは、

攻殻機動隊