土曜日, 2月 10, 2007

ドラッカー インタビュー サマリー

ピータードラッカー氏インタビュー030131 by 日経ビジネス サマリー


質問をしているのは 酒井綱一郎氏 (=日経ビジネス発行人)と 日経ビジネスの酒井耕一 ニューヨーク支局長(現 ・ 日経ビジネス副編集長)のようである 。
日経ビジネスオンラインと I T p r o が 共同で運営しているサイトには、インタビュー内容全文が掲載されているが、インタビュアー達は、掲載の際に、読みやすくするために、一部順序を入れ替え 、質問文を省略するなど多少の編集作業を施したとのこと。しかし、ほぼ当時のインタビューを全面的に再現。

今回は、その全文は、あまりにも長文のため、また、ここに、再掲する意味もないので、ここに、四分の一程度の文章量に適宜サマライズして掲載してみる。

サマライズ責任は、Tyeesということでお願いしたい。 
インタビュー本文全文は、ITpro内に現在も存在していると思うのでそちらを参照されたい。  

以下サマリー

--
ピーター・ドラッカー氏が指摘する「ITより重要なもの」

社会生態学者、ピーター・ドラッカー氏が2005年11月11日に亡くなってから早くも1年強が経った。
動きは目まぐるしかったが、変化が激しい時こそ、本質をつくドラッカー氏の言葉に耳を傾けるべきではないだろうか。
ドラッカー氏は、現在起きている事象を読み解く際に、こちらが予想もしていなかった歴史上の逸話を持ち出し、それらを対比して、目からうろことなる指摘をしてくれたものである。
ラストインタビューになってしまった会見記録の全文であるが、昔のインタビューを読み直しても、新鮮なままである。

このインタビューのテーマが 「 情報 革命 」 であり 、経営 と I T を 考える 当 サイト(=ITpro) に 相応しいと考えていたのだが、
情報革命がテーマと事前に伝えていたにもかかわらず 、インタビューの冒頭 、 ドラッカー氏は 「情報は重要ではない」 と切り出された。
ドラッカー氏 は本インタビュー の 中 で 、 「 I T は 重要 で ない 」 「 C I O ( 最 高情 報 責任 者 ) は新しい 仕事 を して いな い 」 など と 述べて いる 。
これ は 同氏 一流 の 表現 な の だが 、 ぜひ その 真意 を 読みとって いただき たい 。
本インタビュー は 2 0 0 3 年 1 月 3 1 日 に 、 米国 カリフォルニア 州 クレアモント に ある ドラッカー 氏 の 自宅 で 行った 。

--

お具合はいかがですか?
 ご存知のとおり、私はちょっと体調を崩しており、まだ不安定な状態なのです。悪い日もあります。

あなたが重要と考えている「情報」「インフォメーション・テクノロジー(IT)」について触れましょう。
重大な変化というわけではありません。
質問の中では目立ちませんでしたが、重要なのは、「労働力構造の変化」と「人口」です。
シフトが急激に進み、製造業における従来のブルーカラー職は消えることになるでしょう。先進諸国においてブルーカラー職の数は急速に減少しております。
名前は明かせませんが、大企業では、中国工場における生産性が生産性を上回っています。
ナレッジ・ワーカーは、経営管理者(マネジメント)への昇進を望んでいません。
あなたもマネジメントだけでなく、今でもインタビュアーと執筆活動を続けていますよね。
先進諸国では、私がナレッジ・テクノロジストと呼ぶ労働力人口が急激に拡大しています。
ナレッジ・ワーカー、ナレッジ・テクノロジストは、経営側に立つことを望んでいません。
とある病院の科が雇用しているナレッジ・ワーカーは3人から5人にすぎません。
ヨーロッパでは事情は異なりますし、日本のことは分かりません。
病院は、その地域の中で循環器科があると評判です。
しかし、そこに勤める人(彼女)はその病院に留まるつもりはありません。
忠誠心は病院では循環器科という専門分野に向かっています。
何人かは、ビジネススクールを運営する職をオファーされましたがノーと答えました。


人口変化が多国籍企業を変える
二つめの変化は、歴史の中で先進国の出生率が死亡率とほぼ同じになった、または下回ったということです。
変化についてもまた、日本が初めて経験する国となりました。
私は日本について十分知りません。
アウトソーシングが広く普及しています。
これはITよりも重要な変化なのです。
多国籍企業は国境によって定義されません。
企業が、国別ではなく製品ライン別の組織編成に変化しつつあります。
国別というより、製品ライン別の組織編成をしています。
生産性向上 そして、あらゆる先進国にとって、10年における課題は、会社で働くすべてのナレッジ・ワーカーをマネジメントする方針を確立し、生産性を上げることです。

南米で働く従業員の8割が正規雇用の社員でした。
7割はパートタイム労働者で、派遣会社やアウトソーシング会社、コンサルタント会社に所属しています。
誰も彼らをマネジメントしていません。
誰も彼らをマネージしきれません。
労働力をマネジメントする鍵となるのは人員に共通の使命、共通のゴールを理解させることだからです。
多くは、知識を仕事に活かそうかと考えますが、使命についてはあまり真剣に考えていません。
ナレッジ・ワーカーが、自らの仕事を共通の目標に向けていくようにしなければなりません。

ITはツールに過ぎません。
仕事内容に経営側は口出しできません。

循環器科部長の彼女に対し、こうすべきだ、などと誰も指示できません。
その患者を担当しているのはその内科医です。

生産テクノロジストは従属的な存在ではありませんし、ボスでもありません。
彼らはサプライヤーの工場へ行き、その工場を再編成(リストラクチャー)します。
労働力を開発し、マネジメントすることについて、我々は緒に就いたばかりです。
金でつることはできないのです。

──組織に属したくないテクノロジストたちを経営者はどうマネージしていけばよいのでしょうか。
日本については十分知りませんが、西欧では、財務的なインセンティブによって、マネジメントを試みてきました。実際にはあまりうまくいきませんでした。
組織構造の中で、そうした能力を管理職へ昇進するチャンスとして活かす試みがありましたが、彼らはそういったことに興味を示しません。

この企業の中枢は、こうした協力会社を調整しなければなりません。
あまり多くの人数を必要としません。
彼らにとって課題は、スペシャリストの中から、トップマネジメントを担える人材を見出し、育成することです。

テクノロジーがオートメーションを実現し、その結果として、台頭を後押ししている側面があります。
私たちは設計段階から品質管理を組み込んでおり、それがシックス・シグマ・アプローチにつながっています。
ところで、ここでいう品質管理はオートメーションではできません。

私は買い物に行かなくてはなりません。
店員に会うことはません。
お客にモノを売ろうとする販売員が店頭に20人くらいいて、レジの係は2人といった状態でした。
販売員はゼロです。
部分を管理していますが、欲しい物を見つけられない客が助けを必要とするまで、客と接触することはありません。販売員が今ではほとんどいなくなり、代わりにデパートメント・マネジャが増えたというわけです。

私は32年前にクレアモントに引っ越して来て同じ銀行と取引しています。
当時から場所も外観も変わっていません。
行員の数は25年前の半分くらいになっていますから、行員1人あたりのルーティン処理の仕事量は3倍から4倍になっていることになります。
大部分について自動化されているというわけではありませんが、顧客が自分で処理でき体系化されています。

── 外部情報はインターネットから入手できませんか。
自ら外へ出て実際に見て、検証することです。
友人の一人が、日本の大手エレクトロニクス企業にいるのですが、そこではトップマネジメントが一日かけて消費者の一人ひとりを観察するのだそうです。
電化製品を販売している東京の地区をご存知でしょう。
経営トップは他社製品を買う消費者を観察したり、話かけたりするそうです。製品を買う消費者とも話をします。
3か月に実際に大企業を動かしている20名ほどが一堂に会し、市場で見聞きしたことを報告し合います。

1992年あたりから日本人は敏感になりましたが、彼らはおよそ1年前にその兆候を察知していました。
日本人は価格よりもブランドに敏感でした。
情報に、消費者は敏感になってきたということです。

消費者が購入するエレクトロニクス製品はブランドのうちの一つですが、消費者はブランドを意識していません。
消費者は価格に非常に敏感になります。

インターネットは、そうした情報を教えてくれません。

アマゾンドットコムをご存知でしょう。あまりうまくいっておりません。
インターネットが実店舗を追随し状態です。
購買チャネルから、eコマース(電子商取引)へ移行は進むでしょう。
eコマース、インターネットは、これから情報源として発展していきます。
チケットなら問題はありません。
インターネットはあまり使いません。
私は旧式のジャーナリストです。

インターネットはパチパチやります。
出てくる情報が多すぎます。
800ものエントリーが出てきます。
彼は米国から出て仕事をしたいと思っていて、インターネットを使い、建築家を必要として海外プロジェクトを探しました。
私は旧式なのです。

会計はめまぐるしく変わります。
ご存知のとおり、会計の歴史は700年に遡ります。

急速に変化していますから、経営幹部は新しい会計を学ぶ必要がある。
というわけで、ナレッジ・エグゼクティブでも、チーフ・インフォメーション・オフィサでもよいのですが、それらは従来の経理部長の新しい役職名なのですが、新しい機能ではありません。

彼らは依然として会計の担当であって、マネジャではありません。定義もありません。
彼らはまだ本格的に外部情報を体系化できていません。

ジャック・ウェルチ、彼のことはご存知ですね。
中心人物は、ウェルチとCFO(最高財務責任者)とチーフ・ヒューマンリレーションズ・オフィサーです。CEOを中心に取締役会を構成しているのです。
企業ではマーケティング・マネジャ、私が知っている一つの会社ではプランナー、ストラテジストがナンバーツーを務めています。
チャンスに時間を割くことが得策です。
仕事はマーケティングであり、多種多様な財務管理は存在しません。
誰をキーパーソンにするか、企業によって様々なのです。
フォードでは、CFO自身がキーパーソンでした。

話になりますが、私が最初に知った1950年代において、非常に強力な製造のキーパーソンがいました。

これに対し、米国最古の大手小売チェーンであるシアーズ・ローバックを見てみると、価格決定、ディスプレイ、宣伝、そして取り扱いを止めるかについて、マネジャが決定権を持っています。裁量権はありません。中枢で決めます。

クレアモントには産業地区はありません。
彼らは15年前に市場が変化し、旧式の市場が消え去ったことを認識しなかった。
労働力をもって中国と競争しようなどと考えてはいけません。

友人は、この3カ月という冶金技術者を探しているのですが、良い人材が見つからないと言っています。冶金技術者は不足していません。
そのようなわけで、我々は高い教育を受けた人材を活かし、その中から生産性向上や価値創造を得る方法を学ばなければならない。
そうしないと競争できません。

顧客であり、友人でもある、歴史の古い採掘技術企業の話です。
この企業はおり、今や、中国に向けて技術を輸出していません。
先進国向けの仕事は米国と事業所が担っています。
製品は完全に成熟しているので、技術者を必要としません。
スキルは必要ないですし、そもそもそうしたスキルは中国で得られないのです。
ご存知のとおり広大な国ですので、輸送機関が未発達なのです。
彼らは中国事業に必要な資金を中国で調達しません。
彼らは素早く物事を学びます。
彼らにイノベーションを期待してはいけません。
彼らは広大な土地における輸送問題を解決することに慣れています。繰り返しますが、マネジメントや技術者といった人材は不足しています。
彼らは非常に巧く作りますが、それを改良することはありません。
中国を訪れ、「ああ、この国に必要なのは新しい製品だ」などと言う人は成功していません。

マネジメントを踏襲しつつ、しかもグローバル企業を牽引できるでしょうか。
エンターテインメント企業となり、エンターテインメント製品を生産していますが、製品を米国で、米国人マネジャの下で生産しています。
エンターテインメントはスキルや経験も米国的なものだからです。
日本本社とエンターテインメント部門と間で、ぶつかるという話を聞かされるでしょう。
この問題には、膨大な時間を対処しなければなりません。
スキルが必要です。
このように日米欧の三カ所に本拠地が分かれた状態で会社を運営するのは簡単ではありません。
仕事ができません。

一つの会社の中に異なる文化を抱えるのはとても難しいことです。
主要国と比較しても最小または低い数字です。

企業は、目覚しい速さで競争の仕方を学んでいます。
日本企業は労働コストで競争することはできません。
その中で、日本企業は中国企業と提携し、他のどの国よりも中国におけるビジネスを推進しています。
生産性は概して低く、かつ一貫性がありません。
動揺と、混乱と、急激な変化が見られるでしょう。
思うに、トヨタは自らの主な強みを生産と位置づけることについて、またそれについて考え抜くことについて、世界のほとんどの企業よりも抜きん出ています。

この10年のうちに、企業は何が自らの本当の強みなのかを十分考えなくてはなりません。
強みがないと生き残れません。
変化は何よりも急激です。
そんな中、日本はある意味で早く動いている。
金融セクターはスローですが。これら一連の変化は、もっと大きな変化のほんの始まりに過ぎないと私は思うのです。

0 件のコメント: